美容室というと「個人事業主のベテランが集まっている」というイメージでしたが、日経新聞で「強制的に個人事業主とさせられている」という労働実態が紹介されました。過酷な労働環境なのですから、できる限り事務処理からも離れて仕事がしたいものです。

そこで今回は「美容室で開業セットを作るなら?」という仮定の元、役立ちそう・かつ・設定がシンプルな業務システム構成を考えてみました。予約、レジ、シフト管理、顧客管理の観点から紹介していきます。

目次

美容室で必要なシステムとは

美容室で必要なものといえば何でしょうか?一般的に必要なシステムは、以下のようなシステムなのではないでしょうか。

  • レジシステム
  • 予約システム(Hotpepper Beautyや楽天、自社予約サイト)
  • シフト管理システム
  • 顧客に向けてのDM,販促企画の立案, 効果測定

現状、私が考える業務システムは以下のような形となります。

  1. レジシステム、予約システムは連動型(Hotpepperなどのもの)とし、シフト管理だけ別で考える
  2. 予約システムは特定の予約サイトにだけ依存し手数料が取られ続ける(=ベンダーロックイン状態)を避けるため、全てのサイトの予約を統合管理する美容室業務システムを1つ準備する。美容室業務システムを中心に、レジ、シフト、DMなどを配置して考える。

それでは、具体的にみていきましょう!

レジシステム+予約システム(連動型)

レジシステムと予約システムの連動型は、予約サイト側が自社に掲載してほしい、との想いから様々なアプリケーションを出しています。

HotPepper Beauty(サロンボード+ Airレジ)

サロンボード( http://salonboard.com/ )

無料のアプリケーションといえば、HotpepperのサロンボードとAirレジの組み合わせが有名でしょう。リクルートが提供するアプリケーションで、デザイン上の使いやすさが考え抜かれており、直感的に触りやすい作りとなっています。HotPepperの予約がカレンダーに自動的に落としこまれるから、どの美容師が14時に空いているか?なども即座に判断することができます。

R-POS( 楽天ビューティ+R-POS)

R-POS( https://beauty.rakuten.co.jp/cnt/topics/pos/ )

楽天が美容室むけに開発したPOSサービスで、予約管理(楽天)機能+勤怠管理+レジ機能が一つのアプリ内に入っているのが特徴です。リクルートにないものとしては、CTI機能(どのお客様から電話があったら、PCにポップアップさせてお知らせする機能)があります。電話を受けた際にそのお客様がどのメニューを以前受けたかがわかるようになることで「今回はカットのみでよろしいでしょうか?ついでにカラーも…」といった話もしやすくなり、販促に繋がることも想定できます。

予約システム独立型(美容室業務システム導入)

ここまでみてきた、予約サイトが提供するレジや予約管理機能のみを使用して業務を行うことには大きなデメリットが潜んでいます。それが「そのサイトからの予約の管理に特化しており、電話などの予約問い合わせの管理は手入力(システム的に自動管理をしてくれない)」ということです。

例えば、ホットペッパービューティと楽天ビューティの両方に掲出していた場合、楽天ビューティで入った予約を即座にホットペッパービューティの在庫から削除することができず、ある美容師への予約が同時間帯に2つダブルブッキング状態で入ってしまった、というケースは十分に想定されるのです。

美容室向けのシステムはいくつかありますが、必須の「サイトチャネルマネージャ」に絞って説明します。

KANZASHI

KANZASHI ( https://www.kanzashi.com/ )

KANZASHIは、大手予約サイトからの予約を自動的に取得し、予約が入ったら他のサイトの空き枠を自動で減らす、と言った運用が可能です。初期費用が20000円、月額が5000円から利用できます。

Salon Connect

サロンコネクト ( https://salonconnect.jp/ )

サロンコネクトは、LINEやFacebookなどの他の媒体からの集客情報をも一つの画面でまとめて表示することができるのが特徴のシステムです。
値段も初期20000円、月額3980円と比較的安価に抑えられているのも特徴です。またPOSレジ機能も7000円程度で使用できます。別にPOSレジを契約しても同じくらいの値段(例:スマレジやポスタス)のため、高度な会員機能を合わせて使うことでメールなどでの販促を効率的に実施できるのもポイントです。

予約の一元管理は「手間削減」のみではなく、その先の「効率的なマーケティング」に意識を向けて

いかがでしたでしょうか。宿泊業界などでも一般的となっている複数のサイトでの予約情報の一括管理ですが、手間削減のみではなくその先のマーケティングを見据えてシステム選定を行うのがポイントです。例えば、宿泊業界では宿泊前と宿泊後にそれぞれリマインドメールを(予約管理システムから)送信するケースがあります。また、宿泊者のE-mailアドレスを収集し、定期的にキャンペーンメールを送信する事業者もあります。これらのマーケティングは、宿泊より身近に利用者が利用する美容室ではより効果の高いものとなる可能性があります。

ぜひ、サイトコントローラの導入で業務改善のみならず収益アップを目指してみてはいかがでしょうか。

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