昨今、テレワークが新型コロナウィルス感染症の拡大にともない行われていたのは記憶に新しいです。しかしうまくいった会社とうまくいかない会社でテレワークをその後も継続する・中止するの判断が割れたのはなかなか興味深いものがあります。

そこで今回はテレワークで必要な道具ではなく「どのような意識で仕事に望めばテレワークはうまくいくのか?」を考えてみたいと思います。

目次

なぜテレワークはうまくいかないのか?どの作業環境でも最大限のパフォーマンスを出すための3つの注意事項

マニュアルや必要な資料の場所を把握するまた、成果が出るやり方を部署内で共有し目標数字(KPI)も合わせて決める。

テレワークだとよく「顔が見えない」から問題だと言われます。確かに常時ビデオをオンにしているわけではないですし、物理的には顔が見えることはないでしょう。しかし、それをいうなら離れた拠点に勤務している同僚に連絡をとるのも同じ。テレワークと拠点分散勤務の違いは「上司が同じ空間にいる」「ハードウェアや書類が整備されている」ということだと思います。
拠点に勤務していると分かっているから「事務所にある”あれ”をやっておいて」「事務所にある”あの”資料をみて、”この”マニュアル通りに処理」といった指示が雑然とした環境の中であってもできるのだと思います。裏を返せば、以下の2つの条件を満たすことでテレワークは簡単に導入できます。

  • マニュアルやハウツーが電子媒体で準備され、在宅勤務者も閲覧できる
  • ハードウェアから個人情報が流出しないよう、PCのログインはもちろんハードディスクにもパスワードや暗号化処理がかけられている

どこにあるのか(正確には)わからないアナログマニュアルや資料がたくさんあり、仕事が正確にデジタル化されていない、ということが、上司が部下に対して仕事を指示する際の妨げになっているのではないか?と考えます。

そのように考えると、普段から仕事をデジタル化している組織ほど仕事も整理されており、テレワークNGとしない流れになる傾向があると考えられます。IT企業の多くはSlackやその他クラウドストレージを使用して勤務を行っているため、オフィスも机が1つだけ、といった会社もコロナをきっかけに増えました。一方で不動産会社などは大量の紙の契約書の存在、また紙をベースにしたアナログな業務フローの多さからほとんどの企業で在宅勤務は行っていません。

営業会社も「テレワークだと何をやっているかわからないから」といって在宅勤務を認めないケースが多いようですが、これも営業日報などが正確に記録されておらず、上司が部下の体調や仕事ぶりをみながら感覚で指導している(=ノウハウがデジタル化されていない)のが原因のように感じます。

もっとも、電話の先にAIをつけてうまくいく商談判定プログラムか何かで自動的に営業マンの一挙投足を評価し続ける、といったことまでやらないと究極のデジタル評価とはならないのでしょうが…。

時間を意識することの大切さを知り、他人の時間を大切にする

もう1つ冒頭で触れていた「時間を意識する」というのは、自分自身の時間を意識するということではありません。多くの時間(タイミング)他人の作業時間を中断することを避けるため、連絡手段には気をつけましょう、ということです。

一般的に、電話で何か話してから作業に戻るまでに必要な時間は平均で5分程度と言われています。つまり、1日に50本電話に出てしまうと集中できない時間が250分、ほぼ6時間発生していることになります。普段は意識しないかもしれませんが、1日に社内の誰かから話しかけられる回数を足すと、案外それくらい(1日50回くらい)は会話で中断されていることが多いです。

「まさか、そんなに電話なんてかかってこないよ」という方は幸せ者だと思います。私の場合は、テレワーク初日は100ほどの電話が1日でかかってきました。

普段はふらっと現れて、あるいは呼び出しで対応していた案件を電話指示で解決すると、普段意識していなかったパソコン操作を作業依頼者(ここでは情シスではない人)が行う形となり、かえって問題が発生するケースもありました。

テレワークに限らずですが、仕事を前に進めるには各人の地力があることが大前提です。そこの研鑽を怠ってはいないでしょうか?

地力を強化する

自分で調べられることを「聞いた方が早いから」といって聞いて、そのまま覚えないでまた聞く、といったことはないでしょうか?その質問で相手の貴重な仕事時間を数時間も無駄にしていることに気を配っているでしょうか?普段から相手の時間を意識し「一度聞いたことはきちんと覚える」「仕事の中身(やタスクの進捗度)はExcel表やWordなどで管理し、同じことを何度も聞かないで済むようにする仕組みを作る」ことをしっかりと意識することができれば、自ずとテレワークに移行しても混乱の起きない、各個人が独立した仕事人として伸び伸びと活躍できる環境を創出することができるはずです。

パソコンやその他ソフトウェアの使い方(ツールの使い方)を知る

また、パソコンスキルの多さ(少なさ)によって、作業効率が大幅にアップダウンすることもあります。ウィンドウの切り替え方法やサブディスプレイのつなぎ方など、慣れている人からすれば「そんなことで?」と思うことが、意外に知られていないことはよくあることです。

まとめ

今回は私が今回のコロナ禍の中で感じた日本企業の問題点についてまとめてみました。すぐにわからないことを聞くというマインドセットが全く無意味なものだとは思いませんが、すぐに聞く前にGoogleなどで調べたり軽く考えて頭の中で仮説を考えて質問をするようにすることでより教えられたことが強烈に脳内にインプットされるようになるのでは、と考えています。

ぜひ、これを気に誰もいなくても・聞かなくても独立してある程度のことができる(急ぎの案件を急ぎではない案件として処理できる)ようになるスキルを身につけてみてください。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください