私は、会社でも個人でもRPAを使用し、WinactorやUiPath、ロボパットを触ってきました。その中で「そもそもRPAというマジックワードに踊らされて何でも完璧にできると思われていないか?」という疑問を常に抱いてきました。

そこで、RPAを導入する前に知っておいていただきたい現実、RPA導入前の準備(と効果測定)について紹介したいと思います。

目次

システム開発は6割も成功しない

システム開発(基幹システム)は6割も成功しない、と聞いてどのように思われるでしょうか?建築は100%に近いのに。。

システム開発で作るのは「こういうデータがほしい」というニーズに素早く応える仕組みですが、そもそもその仕組みというのは得手して不明瞭な物です。例えば、今日必要な作業の一覧を出したい、と言った際、業務の内容を全て把握していなければそのリストは作れません。惣菜屋の場合、それはどうなるでしょう。食材の買い出し、鮮度チェック、仕込み、POPの確認など開店までに行うことはたくさんありますが、それらをただ羅列するだけではなく「鮮度はX度くらいで」という形に具体的に落とし込んでみることが果たしてできるでしょうか?

そう、システム開発は想像以上に重箱の隅を突くような地味な仕事の丁寧な積み重ねである、といっても過言ではありません。

RPAでPoCは必要ない!プロトコルでなく、マニュアル作成を最初にして

よく「その業務が果たしてRPAでできるかどうか、実際に組んで確かめてみるよ!」という、いわゆるPoCを提案する業者がいます。PoCを実施すると1ヶ月エンジニアが動く=50万円以上かかる、という費用感で大企業では行えますが、中小企業では実施できません。

しかしながら、RPA開発の鍵は「いかに多くの例外・分岐処理が発生する地点が正確に記載されたマニュアルがあるか?」といってもよいでしょう。それさえしっかりしていれば、PoCを実施せずとも「その業務がRPA化できるのか?」「構築にどれくらい費用がかかるのか」についてはすぐに判断することができます。

具体的には「システムからシステムに(人の判断ではなく)日付などのデータをベースにした打ち替え・打ち直し」が最も自動化しやすいです。

例えば、システムにログインして10月1日分から10月31日分の請求書を印刷する、や、顧客管理システムで10月28日にあった問い合わせを集計して一定のフォーマットに入力し直す→日報がわりのものを自動作成、といった作業は自動化しやすいです。

その際に、日報であれば「感想を入力する」などが最後にあると思いますが、その部分については自動化できません。もし仮にテキトーに感想を打って欲しい、と思った場合は、感想を作るロボット(AI)を準備するか、感想文(テンプレート)を用意しておく形になります。

RPAは無償版も。各種ツールとも比較して最適な導入計画を

RPAとなると、一般的には年間100万円以上のコストがかかります。もちろんこれらはソフトウェアのみの代金なので、設定費などを含めると実際には月15万円ほどがかかる計算となります。

しかしながら、システムの持っているデータやり取り窓口(API)どうしを接続し業務効率を図る、という手段であればもっと低廉な値段で、かつ、正確に自動化を推進することが可能です。

例えば、iPhoneアプリの「ショートカット」では、ボタンをクリックするだけで「メールの本文に

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