RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が中小企業でも導入され始めています。ただ自動化を組むことはできたとしても、そのあと継続的に安定して稼働させる、ということには予想以上に労力が必要なものです。その中で大きいのが「実行できたタスク/実行できなかったタスク」をしっかりと管理し、エラーが出ているなら逐次修正する…という地道な仕事です。

そんなRPAの稼働状況の確認に使用されている方法について、実際にとられている方法などを紹介します。

目次

タスク管理手法

王道: RPAツール会社が提供する管理ツールを利用する

https://it.impress.co.jp/articles/-/17398 より引用

もっとも王道なのは、RPAツール会社が提供する管理ツールを利用することです。例えば日本で多く使われているUiPathとWinActorの2社はそれぞれ「UiPath Orchestrator」と「WinDirector」という製品をリリースしています。それぞれ値段は100万円前後/年と値段はかかるものの、ライセンスの管理ができる、という大きなメリットがあります。例えばUiPathの場合、Orchestratorが入っていることを前提に、複数台でのライセンス共有を認めています。実行時間が被らない限り、複数台のパソコンにUiPathをインストールし、自由に実行することができます。通常時は利用PC/利用ユーザー1つに対し1ライセンス(80万円ほど)なので、2台以上で利用する場合にはこちらRPAツール会社が提供するツールを利用するのがいいと思います。

しかしながら、果たして複数台で実行する必要があるのか?ということは考える必要があります。自動実行であれば実行するRPAファイル(シナリオファイル)を1箇所のサーバー(パソコン)に集約し、まとめて実行させればいいだけかもしれません。またRPA実行時は当然ですがPCの電源が入っていなくてはいけないので、実行環境PCの電源管理の観点からもやはりRPAを定期的に実行する環境は少なくするのが理想です。

ロボットは思った以上に高速に、かつ、24時間休まずに処理が可能な側面があります。通常でも人間の3倍(人間が1日8時間労働なので…)である上に高速…となると、1台でも十分多くの仕事をこなしてしまう可能性は高いです。

その2:タスクスケジューラ を利用する

無料で利用できるツールとして名高いのが、Windows標準の「タスクスケジューラ 」です。RPAの実行コマンドを「.bat」ファイル(バッチファイル)に書き込み、コマンドとして登録することで指定時間に自動実行させることができます。またActive Directoryの機能を利用することで、特定のPC・特定の時間にRPAを実行するようセンターから指示を飛ばすことも可能です。

しかし、この手法には以下の問題点があります。

  • タスク実行が失敗した際の連絡手段がE-mailのみである
  • 実行指示先のPCでタスクがすでに実行中だった場合でも強制的に実行しようとしてしまう
  • サポートが少ない。タスクの実行状況をグラフなどで可視化できない。

以上の問題点から、タスクスケジューラでの単独管理を行っているケースは少ないと感じます。

その3:Excelで対応する

導入初期に最も多く見られる形態が「Excel」で管理する、というものです。
タスクの名称、Configの場所の記載をExcelファイルに行い、一定間隔で起動させたバッチファイルでExcelマクロを起動→対象プログラムを起動、という手法です。先ほどのタスクスケジューラーを利用する場合に比べ、失敗した場合にアラートがしっかりと補足できる(実行結果が記録されないので…)ため簡易的に管理しやすい、というメリットがあります。

しかしながら

  • Excelファイルの破損に弱い
  • 複数台数での同時実行に弱い(同時書き込みができないため)
  • マクロとプロセス管理に対する高い理解が必要。

といったデメリットも存在します。

まとめ: 安価で確実に管理したいのであれば「PCの運用管理ツールを利用する」という選択肢も

いかがでしたでしょうか。個人的には安価でタスク管理をするのであれば「Excel」を利用した形式をお勧めしています。失敗したタスクが一覧ですぐにわからないと、多くの業務を自動化した際に「このエラーログはどのタスクのだっけ?」という話になりかねないからです。実際、導入初期は多くの会社がExcelでのタスク管理方法で検証を行っているケースが多いようです。

しかしながら、ここに紹介していない手法として「運用管理ツール」を利用する、というものもあります。運用管理ツールは各種PCへのメンテナンスタスクの実行指示、プロセス管理などができるソフトウェアのことを指し、企業ではセキュリティパッチの一斉配信などのシチュエーションで利用されています。

運用管理ツールを入れて比較表を作成すると、メリット/デメリットは以下のようになります。ぜひ、みなさまにとって最適なRPA管理ツールを採用し、適切な業務自動化が実施できるようにしましょう!

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