スマートフォンが世間に出て、はや10年。今やポイントカードの多くはアプリ対応し、iPhoneのおサイフケータイ実装などによりタッチ型の会員証なども登場する世の中になりました。
アプリを作りたい。そういう話をしてみても、実はアプリの開発方法に詳しい人は思ったより少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、アプリの開発にかかるコストとアプリの販売に関わるマーケティングについて考えてみたいと思います。

目次

はじめに:アプリはそもそもいらないこともある

はじめに、アプリが必要ではないこともある、ということをお伝えしたいと思います。
アプリは、ショートカットをスマートフォン画面に表示させ会員ログインさせることで「どのようなお客様が」「どれくらいの頻度で」来るのかを分析することができるサービスとして利活用されることが多いです。しかし、これらのサービスは携帯電話のブラウザでも実現することが可能です。

例えば、カラオケのチェーンとして有名なカラオケ館。ポイントカードは10年前から変わらず、プラスチック製のカードを使用するかモバイル会員証を利用するかを選べます。とはいってもモバイル会員証はアプリではなく、専用のタッチリーダーに携帯電話をかざし、URLからポイントカードを開きポイントを加算するといったものです。ここに使用されているものに、アプリケーションはありません。むしろ、この簡単な仕組みはガラケーの人にもモバイル会員証を利用していただく上で一つの良い策と言えそうです。

アプリはマーケティングの一環であって、もっと簡単な方法で実現することもできる。フランチャイズの場合はそちらで提供されている共通アプリを利活用するなど、アプリの開発以外の所にも必ず目を向けることが大切です。

アプリの開発にはいくらかかるのか?

アプリケーションの開発(スマートフォン)には3ヶ月〜半年がかかると言われています(もっとも、内容によって異なりますが)。私は1年前にAkippaと同じようなアプリを作成しようと見積もりを2〜3社に依頼したことがあります。Akippaは月極駐車場をコインパーキングとして利用できるようにするサービスですが、2016年当時は楽天パーキングやリクルートのサービスなど様々な駐車場シェアリングサービスができた年でもあったのです。

当時のAkippaのアプリを外注すると、300万円〜500万円との見積をなりました。簡単な要件は以下の通りです:
・アプリ内で空いている駐車場をマップ上に表示して掲載する
・空いている駐車場について基本情報と空き状況を表示する
・アプリ内でクレジット決済を受け付ける

もっとも、現在はもっと多くの会社にノウハウが集まり、より安い金額で実現できるかもしれません。しかしながら、システム開発には予想以上の費用がかかるということを知っておく必要があります。

アプリを開発する安い方法:アプリ開発のクラウドサービスを使用する

アプリの開発と一言でいっても、エンジニアだけが読めるコードを書くことだけが開発ではありません。ボタンや入力項目をドラッグアンドドロップすることによってアプリケーションを作成するのも、一つのアプリ開発の形と言えます。

このようなサービスとして有名なのは、やはりYappliでしょう。iBeacon(Bluetoothを使用した端末へのプッシュ通知などができる)など、ネイティブに近い最新版の機能を使用することが可能です。金額も月30,000円〜と比較的安価であり、将来的なメンテナンスなどを含めるとYappliで販促用アプリケーションを作成するのもいいのではないでしょうか。

なお、この際のデメリットとしてYappliの自動アップデートの終了、またランニングコストが安くなる(0にはならない)といった問題が挙げられます。また、Yappliでは複雑なアプリを開発することは難しいと考えた方が無難です。

アプリを開発する方法:自分でアプリを書く(Cordova / Phonegapを使用する)

もう一つの方法として考えられるのは、Cordova / Phonegapと言われるサービスを使用してアプリケーションを作成する方法です。Cordova / Phonegapは無料で使用できるHTML / CSS / Javascriptでアプリケーションを作成できる仕組みで、作成したアプリはiOS / Androidアプリとして自分自身でAppStoreに出すことができます。

こちらの方法の場合、Yappliと異なり月額費用は発生しません。月額費用が発生したとしてもサーバー費用(月0円〜1000円)と開発者ライセンス(年10000円程度)なので安価に運用することができますし、外販することも可能です。開発環境の整備が大変なため、Monaca(インターネット上でCordova / Phonegapでのアプリ開発環境を提供しているサービス)などの開発環境を使用して開発するのがいいと思われます。

ただし、JavaScriptはブラウザでも使用されている比較的習得が容易な言語ではあるものの、学習には依然として時間がかかります。プログラミングやWEBコーディングの経験がない場合、Yappliを使用することをオススメします。

まとめ:それでもアプリが欲しい。どれくらいの費用対効果をださなくてはならないか?

AppStoreで掲載されているアプリは数多く存在しますが、実際にその中で多数ダウンロードされているアプリケーションは全体の9割程度と言われています(参考サイト)。開発費用の100万円を3年で回収しようとすると、1ヶ月あたり3万円。決して安い費用ではないため、プッシュ通知をある程度マメに送る、アプリ会員がどれだけ来店されたかの数字を計測し実際のマーケティングに活かしていくなどのデータ活用に対する気概が必要となることは間違い無いでしょう。顧客費用を3万円としても、粗利ベースで3万円以上増える。そのような魅力的なサービスとアプリなら、きっと多くのお客様に満足してもらえる店・サービスを提供し続けていけることでしょう。

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