領収書や請求書などを社内で支払い処理などした際に原本を(スキャナなどで電子化して保存していることを条件に)破棄することを認めた法律として「電子帳簿保管法」があります。しかしスキャナで保存するとはいってもタイムスタンプと呼ばれる改竄防止を証明する仕組みを導入することが義務付けられており、ただただスキャナで読み込んで保存すれば良いわけではありません

そこで今回は簡単にタイムスタンプを扱えるサービスを紹介するとともに、経費精算・会計で帳票の電子化+働き方改革を合わせて実施できるサービスについても紹介していきます。

目次

タイムスタンプの付け方

タイムスタンプは、認証局に対して認証要求をソフトウェア的に(機械的に)送信し、その戻り値(ハッシュ値)でファイルを暗号化することで、改ざんを防ぐ…という仕組みです。

例えば、「1」という文字列を暗号化するとxxx…などという文字列になります。このxxx…の一部をxyx…のように変更すると、ファイルが編集された(改竄された)として、タイムスタンプが壊れてしまいます。タイムスタンプが壊れていない=編集していない、ということをもって文書の改竄がなされていないことを証明します。

そのためには、プログラム的に認証局にハッシュ値を送信する仕組みと、認証局から発行された証明書を適切にファイルに埋め込む仕組みの2つが必要です。

スキャナの機能で追加する

会計ソフトの会社の一部では、タイムスタンプの付与に対応する形のストレージサービス(Dropboxのようなもの)を提供しています。例えばTKCという会社はこの対応の製品を提供しています。利用代金は月20000円〜と決して安い金額ではありませんが、簡単に導入できる、という点で評価されています。

また、これらのソリューションは会計事務所での導入を前提としているケースも多く、企業側での対応という点は考えなくてはならないのはもちろんではありますが、会計事務所に相談しながら導入するというのが一般的なのかもしれません。

PDF作成ソフトの機能で追加する

タイムスタンプ認証局と契約すると、Adobe Acrobatなどと連動し、タイムスタンプをファイルに自動的につける、といった機能の提供を受けることもできるようになります。

領収書・請求書の電子化と自動化に役立つサービス3選

ここまでタイムスタンプの使い方、という点でサービスを展開してきましたが、実は、2022年1月の電子帳簿保存法の施行にあたっては別の裏技的なももも用意されています。それが「改ざんできない、第三者が主体的に運用しているクラウドサービスを利用する」という方法です。

金額の範囲を絞っての検索や登録した書類の削除ができないなどの内容が具備されている必要はありますが、削除ができない電子ワークフローシステムであれば電子帳簿保存法に準拠したサービスとして利用することが可能です。

この解釈を利用してここ1年サービスの展開をすすめているのが、Sansan社が提供している「Bill One」をはじめとする諸サービスです。

SCOPE(グループウェア)

http://scopeapps.net/

埼玉にある小さな不動産会社が用地仕入れ営業の効率化のために開発したワークフローシステムです。登記簿取得がスマートフォンアプリでできそのまま営業案件として管理できる仕組みを採用しています。

この製品の変わっているところは「営業が社内申請をスピーディにできる」こと、そして「小さい会社でのシステム乱立を防ぐ」ことを目指していることです。

小さい会社向けに設計されたシステムなので、複雑な機能はそこまでありませんが、単純に使用ができること、グループウェアを導入していない会社が初めて導入するのに適した最小構成であることが特徴です。

最近ではワークフローの書類を改ざんできない形で保存する電子帳簿保存法対応もされたようです。

Bill One

https://bill-one.com/lp/sbp/

名刺管理で有名な「Sansan」が開発する、請求書受け取りの自動化/請求明細のOCR支援クラウドサービスです。請求書の送付先をSansan社に変更することで、自社に請求書が届くことなく手軽に請求書などが電子化できるのが特徴です。

簡易的なワークフローシステムを揃えており、支払い承認などの処理が可能ですが、汎用ワークフローシステムとの連動などはありません。

これからのサービスの発展が期待できるサービスです。

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