電子契約という単語をご存知でしょうか。電子契約とは「電磁的な手段を用いて改竄できないように作成された契約を証するもの」ということができますが、一言で電子契約といっても申し込みフォームにチェックマークをつけるだけのものから証明書で第三者の期間が認証をするものまで様々です。そこで今回は電子契約でできることをまとめるとともに、電子契約にもある「種類」をまとめてみました。

目次

電子契約でできること?

電子契約で作成できる契約は、ほとんどすべての契約書です。それは不動産の売買契約書といった動産の取引に関わるものだけではありません。もちろん株などの金融資産の取引にも使えますし、雇用契約書などにも使用しているケースがあるそうです。 そもそも電子契約というのは昔からありました。私が思い浮かべるのは「ネット上で《同意して契約する》のチェックボックスをONにして携帯かんたん決済で課金するゲームの世界ですが…。ゲームの課金は軽いものとしても、Microsoft Office(Office365)は継続課金の契約を書面ではなく電子で行なっていますし、それ以外にもamazonで注文した商品が届くというのも一つの電子契約です。そして、これらは電子契約という単語が出てくる以前から出ています。 昨今で言われている電子契約は、こうしたWEBフォームでの契約(=WEBサービスの契約)を、一般社会での消費財などにも当てはめることで効率化したい!というものです。
今までのWEBサービスの利用規約のチェックボックス方式の申し込みが無効になるわけではありませんし、現在のところそういった話もありません。

電子契約の「種類」

電子契約といっても種類があることは先ほど述べました。ここでは程度の重い順に「電子契約」について述べていきます。

もっとも重い:税法上発行するべき書類(特に、印紙を貼って取り交わしていた書類)

税法上発行すべき書類としてある土地の賃貸借契約書や領収証については、電子スタンプ+電子署名による署名があれば印刷をせずとも電子的な媒体にて保存することが可能です。これにより、大企業などは大量の書類を保存するスペースを省くことができるようになりました。 また、タイムスタンプと聞くと「サーバーで普通に無料でうてるじゃん」という意見もあるかと思います。しかしながらPC(サーバーも)の時刻は少しずつ異なっており時刻配信サービスなどで時刻情報配信の認証を受けている第三者によるタイムスタンプを使用する必要があります。 タイムスタンプ関連のサービスを提供している事業者は、下記にあります。
https://www.dekyo.or.jp/touroku/index.html
もっとかんたんに、契約書の押印などを提供しているサービスとしては下記のようなものがあります。
https://www.imaos.jp
https://www.cloudsign.jp

中くらい:普通の契約書(税法に引っかからないもの)

発注書や納品書などのうち、発注金額が少ないものについては印紙を貼る必要がありません。このようなタイプの場合、タイムスタンプを押す必要は必ずしもなく、双方が合意したという印があれば問題ありません。 そのため、単なる署名ができるアプリ(AcrobatSign)などで、形式的に署名をいただくことで契約書に効力をだすといったことが行われています。ただしこの方式の場合、税務調査にはペーパーベースでの契約書の出力などが必要になります。ランニングコストもかからず、費用的なメリットが出やすいのがこのタイプです
https://acrobat.adobe.com/jp/ja/sign/pricing/plans.html?promoid=FVYPZ681&mv=other
Acrobat

軽度なもの:同意ボタン

WEBサービスの契約など、もっと気軽に契約・解約を行うものについては、画面上に利用規約を表示の上で「同意する」ボタンを設けて押していただくことで契約の代わりとすることができます。この方式の場合、利用規約中に「利用規約を変更の際には特定の画面にて表示します」といった表記を施すことによって実際の運用に合わせて(ユーザーの同意のもと)サービスを改定していくことができるので便利です。 ただし誰も認証していないタイムスタンプ等でやり取りをするため、やり取りの履歴をある程度はサーバー側で正確にサービス事業者側の責任のもと保管しておく必要があります。

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番外編:電子契約になっても省けないもの

電子契約になっても完全に電子契約にできないものがあります。それが宅地建物取引法などにある土地や家屋の売買の際の37条文書など、対面での説明+契約書となっているものです。この場合、対面での説明が電子化されていないと、契約自体を電子化してもメリットが何もありません。 いかがでしたでしょうか。電子契約というと1通100円など値段が従量課金でかかるものも多くありますが、契約そのものの性質などをみて「どのレベルで同意したことの証明を貰えばいいか?」を精査することでコストダウンが図れます。 契約書の発送業務などから離れ、より集中しなくてはならないタスクに割く時間が増えるようになるといいですね。

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