返品、返金したい!でもレシートはレジの横に捨ててしまった…。
こういった場合、購入した製品の返品には対応するべきなのでしょうか(してもらえるのでしょうか)。
結論からいうと、レシートは必ず必要だと言われていますし、レシートなしでは返金に応じる必要が原則ありません。

それでは、その3つの理由と例外について考えてみたいと思います。

目次

理由①その店で買ったものかどうかが証明できないから

シンプルにいうと、これです。特に、ボールペンやティッシュペーパーなど日用品で量販されているものは特にどこで買ったかがわからないため、レシートが必須となります。
レシートがなくても返品に応じる店舗もありますが、それはあくまでポイントカードにて購入が立証されている場合に限定されます。「レシート 返品」で上位に来るのはニトリですが、ニトリではポイントカードがあれば、ときちんと明記されています。

またポイントカードがあっても、どの商品を購入したかまでは紐付けされないケースがあります。TポイントやPontaなどの共通ポイントの場合、加盟店によりデータベースの整備状況もまちまちです。

以上の事情などから、レシートなしでは返金・返品には応じられないと考えられています。

理由②そのお店で返品がきちんとされたかどうかがわからなくなるから

店舗側の事務処理として、売上を計上したのち、きちんと取り消し処理をしたかどうかがわからなくなってしまうのを防ぐため、返金のレシートは紙の専用台帳に貼り付けして保管することがあります(大手コンビニでは、貼った台紙を本部に送付し本部で数年間保管されるそうです)。これがないと、極端なケースでは脱税を疑われることになります。年度末に売上金額が税金が高くなるラインに近づきそうなとき、特に返品がなかったとしても売上の取り消し処理をすることができたら、どうでしょうか? 税金の公平な負担からは遠のいてしまいます。

なお、きちんと売上がその金額であったという証拠(レジのジャーナル、領収証の返品分)は、営業の記録という扱いとなり7年間の保管義務が発生します。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5930.htm

理由③領収証の不正発行となるから

返金、返品があった=店がお金を領収した事実がなくなる、ということから、領収証は返金があった際に無効となります。
そもそも領収証(レシート)は、民法486条で「弁済したものは、弁済を受領した者に対して受取証書の発行を請求できる」という条文が根拠となって発行されています。
そして、領収証を不正に大量に発行して経費精算に使用することは脱税ととれかねません。過去にフリーマーケットアプリに宛名と金額の記載のない領収証が大量に出品されて問題となりましたが、領収証は一会社員からするとお金を会社からもらえる魔法の紙の一つであることを忘れてはなりません。

返金に応じなくてはならない場合

例外①製品に起因して損害を被ったとき

製品の不具合に起因して損害を被ったとき(製品が最初から壊れていたなど)は、損害賠償請求という形で返金してもらうことは可能です。しかしながら購入した証明は必要なため、製品保証書やクレジットカードの控えなどが必須となるでしょう。またその事業者に確たる落ち度があることが一つの条件となります。

例外②領収証の発行を拒否されたとき

領収証の発行を拒否された時には、取引そのものを無効とすることが可能です。これは「弁済を受領したものに対して受取証書の発行を要求」することと物品の所有権等の移動が同時履行の関係(同時に行われるべきもの)と捉えられるときが該当します(つまり、一般の商取引であれば問題ありません)

ただし、すでに当該の商品を使用している場合は商品を使用しているということから同時履行の関係は壊れるため、取り消すにしても使用した分については弁済が必要です。

いかがでしたでしょうか。たかがレシート、されどレシート。
必要な時に備え、しっかりと保管するようにしたいものです。

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